しめ縄を付け替えたり、新しく取り付けたいと思っても、サイズが分からない、測り方が分からないなど困ることがあるかもしれません。この記事では小さいしめ縄の設置場所、しめ縄を付け替える際、新たに取り付ける際の測り方などについて、小さいサイズのしめ縄を中心に解説します。
目次
しめ縄の種類
神社や神棚、巨石や御神木などさまざまな場所で見られるしめ縄。しめ縄には、神様のいる神聖な世界と、私たちが住む俗世を隔てる役割や、神の依代を表す役割、邪悪なものが出ていかないようにする結界の役割などいくつかの意味があります。
しめ縄の種類はさまざま
しめ縄は形によってさまざまな種類があり、神社や地域によって異なります。しめ縄の代表的なものに「鼓胴型」「牛蒡型」「一文字型」「左縄」などがあり、大相撲の横綱の回しのような「前垂れじめ」や出雲大社など大きなものに多い「大黒締め」、牛蒡型を交差させたもの、蛇を表したものなどしめ縄の形は多様です。
神社で一般的によく見られるのが真ん中が太く、垂れ下がるように取り付ける「鼓胴型」や真っ直ぐな「一文字型」、片方が太く、片方が細い「牛蒡型」などで、手水舎では細長い「左縄」が取り付けられていることが多いです。
小さいサイズのしめ縄
同じ種類のしめ縄でも、取り付けられる場所によってサイズは異なり、神社の鳥居や拝殿、巨木や巨石などには大きなものが取り付けられ、小さいサイズのしめ縄は、神社では手水舎や狛犬など、家庭では神棚やお正月のしめ飾りが挙げられます。
「牛蒡型」は神棚でもよく見られ、お正月のしめ飾りは、地域によって千差万別の形をしており、昨今ではデザイン性の高いおしゃれなものもたくさんあります。小さいサイズのしめ縄は、取り付けも楽で、値段も求めやすいものが多いことが特徴ですし、しめ縄作り体験などからしめ縄に親しむきっかけになることもあります。
しめ縄の場所別サイズの測り方
しめ縄は取り付ける場所によって、サイズも測り方も違ってきます。基本的な測り方から美しく見えるサイズの選び方を見ていきましょう。
鳥居の場合
しめ縄の長さは「柱間(芯々)」と呼ばれる、一方の柱の外側からもう一方の柱の内側までの長さに合わせたものを選びます。
しめ縄の太さは、「貫幅(ぬきはば)」と呼ばれる、柱と柱の間に渡されている貫の幅(上から2番目の横棒)を測り、7割程度の太さを選ぶとバランスが美しくなります。
拝殿の場合
しめ縄の長さは「柱間(外々)」と呼ばれる、柱の外側から外側までの長さを測ります。
太さは神社によってまちまちなので、今まで通りの太さにするか、幅180cmの場合は10cmほどが良いバランスと言われています。太いものよりも少し細めのものの方が美しく見えるでしょう。
手水舎・狛犬・御神石などの場合
手水舎につけるしめ縄の長さは、拝殿の場合と同じく「柱間(外々)」という柱の外側から外側までの長さを測り決めます。太さ5〜8cmの「左縄」が取り付けられる場合が多いと言われています。
他にもあまり大きくない御神木や御神石、神社によっては狛犬にもしめ縄が取り付けられていますが、厳密な決まりはありませんので、ふさわしい形や太さなどを選ぶといいでしょう。
房や紙垂の数も長さが長くなれば増える傾向にありますが、形や数は神社によってさまざまですので注意が必要です。
神棚の場合
神棚のしめ縄のサイズは、神棚の端から端までの長さを測って決めます。神棚の長さよりも1尺(30cm)長いものを選ぶか、神棚の端が壁についている場合は神棚と同じ長さにすると、見栄えがよくなると言われています。
しめ縄取り付けの際の注意点
しめ縄を取り付ける際には、特にしめ縄の向きに気をつけましょう。例外もありますが、一般的な神社の場合、左が上位、右が下位の観念に従って、神様から見て左側(私たちから向かって右側)にしめ縄の始まりである綯い始めを向けます。
神棚の場合も向かって右側に綯い始めの太い方を向けます。ただ地域や意味づけによっては逆になる場合もあり、神棚の向きによっては太陽の強い方角である東か南に綯い始めを向けた際に向かって左にくる場合もあるのです。
また商売繁盛を祈願した「入船」「出船」という考え方もあり、たくさんお客さんが入ってくれるようにと願う「入船」は向かって右が綯い始めになりますが、働きに出てたくさんお給料をもらってくるようにと願う「出船」の場合には、向かって左が綯い始めになります。
しめ縄から下がっている紙垂の裏表にも注意が必要で、外から魔物が入ってこないようにする意味と、神様がいる神聖な領域と人間が生活する俗世とを隔てるために、表面を外側(私たちの側)に向けて取り付けましょう。
まとめ〜小さいサイズのしめ縄はバランスの良いサイズを〜
小さいサイズのしめ縄は神社では鳥居や拝殿など目立つところではなく、狛犬や手水舎、小さめのご神石などで見られ、家庭では神棚やしめ飾りなど身近なところに存在します。厳密な決まりはありませんが、いずれの場合も、取り付ける対象を採寸し、バランスの良いサイズを取り入れるといいでしょう。