地鎮祭とは、家などの建物を建てる際に行う、工事の安全と完成の無事を祈る儀式です。
とはいえ、一般的には一生に一度あるかないか程度なので、何をすればよいかわからない方も多いかもしれません。
今回は、地鎮祭を行う際の準備物やポイントをご紹介します。
地鎮祭とは
地鎮祭とは、これから工事を始め、建物を建てることを土地の神様に承諾してもらう儀式で、建築に関わる全ての人が参加し、工事の安全と完成の無事を祈ります。
日本では古くから、土地に神様が宿るとされていたため、地鎮祭のような儀式は飛鳥時代ころから行われていました。とても歴史のある儀式なのですね。
地鎮祭の準備
地鎮祭を行うには、いくつかの準備が必要です。
まず、施主と施工会社で日程を調整し、神社に依頼することからはじまります。その上で必要な準備物をそろえて当日に臨みます。
順番に確認していきましょう。
地鎮祭の日程
地鎮祭は土地を購入し、工事に着手する前に行います。
大安、先勝、友引などの吉日の午前中が縁起が良いとされていますが、都合がつかない場合は調整して大丈夫です。
ただ、「三隣亡(さんりんぼう)」は、3軒隣の家まで災いがあるとされる建築の凶日なので、避けた方が無難でしょう。
地鎮祭の青竹としめ縄
地鎮祭では、施主と施工者、神社の3者でそれぞれ準備物が必要になります。
一例をあげると、施主が御供物、竹、しめ縄を用意し、施工者が斎場整備と盛砂の用意。
神社が鋤、鍬、鎌、祭壇、紙垂、玉串などを用意するといった具合です。
ただ、施主の準備物はお供物と玉串料のみでよいなど、場合によりますので、施工者や神社に問い合わせて必要なものをそろえましょう。
一般的な地鎮祭では、土地の四隅に青竹を立て、青竹の間にしめ縄を張り、そのなかに祭壇を設けます。
この青竹は「斎竹(いみだけ)」といい、神様を迎える清浄な場所の目印になるもので、1辺を2m四方として、青竹を祭場の四隅に立てます。
しめ縄は、太さが6mm以上の「左縄」で、通常のしめ縄と同じく左撚りにした細長いものを用意します。これを青竹の上部約2mのところに、艮(うしとら)の方角(東北)の隅より時計回りに張っていきます。さらに、清浄な場所を表す「紙垂」を1辺に決められた数ずつつければ完成です。
しめ縄の素材は稲わらが一般的ですが、麻や化学繊維などいくつか種類がありますので、指定がない場合はお好みのものを選びましょう。
地鎮祭のお供物
一般的に施主が用意することが多いお供物は、基本的に以下のものが挙げられます。
・米一合
・酒一升
・海の幸
・野菜
・果物
・塩
・水
お供物(神饌)は、四季の新鮮なものを選び、三方と呼ばれるお供物をのせる台にのせます。
海の幸は、縁起のいい鯛が代表的ですが、尾頭つきであれば他の魚でもOKです。するめ、昆布などの乾物をのせる場合もあります。
野菜は、トマトやきゅうりなどの地面の上になるものとにんじんや大根など地面の下に生えるものの両方があるとよいでしょう。
果物は、りんご、みかん、バナナ、キウイ、ビワなど、季節のものを選びます。
地鎮祭の祭壇
祭壇は多くの場合が神社が設置してくれるので、心配はいりませんが、以下のようなものが必要です。
・神籬(ひもろぎ)…榊に紙垂や鏡、麻をつけたもの。神様の依代になる。
・斎砂(いみすな)…盛砂ともいう。鍬入れの儀に用いる斎場の近くの円錐形高さ40cm程度の盛られた砂のこと。
・大麻…祓い具であり、榊や白木に紙垂や麻をつけたもの。
・散供用具…土地にまくためのもので、四方祓という四方四隅を祓い清めるためのものや紙と麻を2センチほどに切った切麻や米、酒、塩などのこと。
地鎮祭の鎮め物
鎮め物(しずめもの)は、たいてい神社側が準備してくれる神聖なもので、工事の安全や家の繁栄を願って地面に埋めるもので、人形、刀、矛、盾、鏡などが入っています。
地鎮祭の費用
地鎮祭にかかる費用は5〜15万円と施工者や神社によってまちまちですので、確認が必要です。
例えば、玉串料(初穂料)は、神社へ支払う謝礼のことで相場は3〜5万円。蝶結びののし袋に入れて渡します。
この他に、祭壇などの設営代、お供物の費用などがかかります。
地鎮祭の最後に御神酒をいただく場合は、升や湯呑みなどを人数分用意する必要がありますし、直会(なおらい)といってお食事会をする場合は別途その費用も必要です。
地鎮祭は必ずやらなければならないわけではないので、近年では地鎮祭を行わない方もいらっしゃいます。行うか行わないかはご家族や施工者と相談して決めるとよいでしょう。
まとめ〜地鎮祭にはさまざまな準備物が必要なので、相談して決めましょう〜
以上、地鎮祭のためのさまざまな準備物をご紹介しました。準備物の多さに圧倒された方もいらっしゃるかもしれません。やるかやらないかは施主の自由ですし、費用や準備物も、施工者や神社、土地の風習などによって変わってくるため、まずは一度施工者などに相談してみることをおすすめします。