「しめ縄って何?」そう子供に聞かれて困った経験はありませんか?
この記事では、神社、お正月、神棚の3つのしめ縄の意味を分かりやすく解説し、さらに子どもへ伝える際のポイントをご紹介します。
子供とともに意味を考えたり、実際に体験することで、より日本文化への興味が湧いたり、共に楽しめるきっかけにもなるはずです。我が子への説明や、保育園などでの説明にぜひお役立てください。
目次
1,神社のしめ縄
1-1,神社のしめ縄の意味
1-2,「神社のしめ縄の意味」子供に伝えるポイント
2,お正月のしめ飾り
2-2,お正月のしめ飾りの意味
2-3,「お正月のしめ飾りの意味」子供に伝えるポイント
3,神棚のしめ縄
3-1,神棚のしめ縄の意味
3-2,「神棚のしめ縄の意味」子供に伝えるポイント
神社のしめ縄
初詣や七五三、合格祈願、神前式など、日本人とは切っても切り離せない神社。
神社には一部を除き、多くの場合にしめ縄が張られています。
神社は日本に古くからある神道の施設であり、日本全国に8万社以上あると言われています。
神社のしめ縄の意味
神社のしめ縄は「神様がいる場所」を示します。
神様が常にいらっしゃる場所だけでなく、時々立ち寄ったりする依代(よりしろ)や御旅所(おたびしょ)のような清らかにしておくべき場所を表すこともあります。
また、神様の住む世界と私たちの住む世界の境界を示したり、神様の住む神聖な場所へ悪いものが入らないようにする結界を示したりしているのです。
しめ縄は神社の鳥居や拝殿、手水舎、御神木、巨石などによく見られ、境内をぐるりと囲むようにして張られている場合もあります。
しめ縄の形や素材、大きさは神社によってさまざまで、白い紙「紙垂(しで)」や房の
有無や数、形にも特徴があるので、神社をいくつか比べてみるのも面白いですね。
「神社のしめ縄の意味」子供に伝えるポイント
お子様に伝える場合には、「神社のしめ縄は、神様がいる特別な場所を教えてくれていて、神様がいる場所に悪者が入らないようにしているバリアでもあるよ。」
このように伝えるとよいかと思います。
一緒に神社に出かけて、実際にしめ縄を探してみるとより理解が深まりますね。
お正月のしめ飾り
お正月は、幸せを運んできてくれる「歳神様」をお迎えしてお祝いする行事です。
歳神様は祖霊神であり、山の神、田の神でもあるので、五穀豊穣や家内安全、子孫繁栄などをあたえてくれるといいます。
歳神様をお迎えするための準備は12月13日の正月事始めからはじまります。お正月の準備は、大掃除からはじまり、門松やしめ飾り、鏡餅を飾り、おせち料理を作ります。
歳神様が滞在している期間を「松の内」といい、関東では1月7日、関西では1月15日といわれています。
お正月のしめ飾りの意味
お正月に玄関先に飾られるしめ飾りは、歳神様をお迎えする目印です。家が清浄になりお迎えする準備が整ったことを示し、またそのような空間に悪いものが入っていかないようにする役割もあります。
しめ飾りは、神社などでみられるしめ縄が派生したもので、かつては家の周りに縄を張り、邪気をはらってお正月の準備をしていたのが、次第に特殊な形になり、縁起物の飾りをつけるようになったのがはじまりです。
しめ飾りの形は、玉飾りやごぼう型、前垂れ型、眼鏡型など地域によってさまざまな形があり、縁起物の種類や数も違います。
例えば、こちらの写真のしめ飾り。
形はごぼう型で、縁起物の飾りには「橙(だいだい)」、「紙垂(しで)」、「裏白(うらじろ)」「稲穂」がついています。
それぞれの意味は以下のようになります。
・橙…みかんのような橙は、実が木から落ちにくく、「代々」受け継がれていくようにという願いを込めて子孫繁栄を表します。
・「紙垂」…稲妻の形をした白い紙は、邪気を払い清浄さを表します。また稲妻の力で悪者を寄せ付けない意味もあります。
・「裏白(うらじろ)」…裏が白いのが特徴の葉は、清らかな心をあらわし、葉がしだる様子から長寿を表します。
・「稲穂」…お米の入っている稲穂は、豊かなみのりを表し「五穀豊穣」を祈願します。
このように、しめ飾りの縁起物にはひとつひとつに意味があるのです。
「お正月のしめ飾りの意味」子どもに伝えるポイント
「お正月のしめ飾りは、お迎えする準備ができていますよ、という神様への合図と、悪者が家に入らないためのバリアだよ」
と伝えるとよいかと思います。
さらに、興味をお持ちであれば、大掃除などのお正月の準備からはじめ、しめ飾りの縁起物の意味を考えながら一緒に飾るとより楽しめますね。
神棚のしめ飾りの意味
神棚とは、家庭や会社などで神道の神様を祀る場所のこと。神社に出向いてお参りするのと同じ意味を持つ、いわば小さな神社です。
神社で祈祷を受けたお札や榊、神鏡などの神具を置いて神様を祀る場所で、家内安全や厄除け、繁栄を願うものです。
神札は「神宮大麻」と氏神様を祀る地域の神社のお札をお祀りし、神社にお参りするのと同じように「二礼二拍手一礼」で参拝します。
神様のいる神聖な場所ですので、しめ縄も神札も一年に一度新しいものに交換し、常に清浄にしておく必要があります。
一般家庭に神棚が祀られるようになったのは、江戸時代ごろで「お伊勢参り」ブームに伴って「神宮大麻(じんぐうたいま)」と呼ばれる伊勢神宮のお札が全国に配られるようになり、お札を納める場所として神棚が生まれたことがはじまりだそうです。
神棚のしめ縄の意味
神棚のしめ縄の意味は、神社の場合とほぼ同じで、神棚が神様のいる神聖な場所であることを示しており、紙垂があることでより清浄さが増します。
「神棚のしめ縄の意味」子供に伝えるポイント
「神棚は家を見守ってくれている小な神社みたいなもので、しめ縄は神様がいる神聖な場所だって教えてくれているよ」
このように伝えるとよいかと思います。
まとめ〜子供と一緒に日本の風習を体験しよう〜
日本において人々は、古くから神道にまつわる風習とともに生活してきましたが、近年では簡略化する家庭も増えています。だからこそ子供にも伝える意味があるでしょうし、子供に説明することで、より大人側の理解も深まりますよね。
子供と共に体験することで、さらにしめ縄や日本文化が興味深いものになるでしょう。