大きなしめ縄で有名なのが出雲大社や宮地嶽神社ですが、日本一大きいのはどこのしめ縄なのでしょうか?
この記事では、出雲大社のしめ縄が日本一大きいのか検証し、巨大しめ縄ができるまでをご紹介します。しめ縄を詳しく知れば、出雲大社の大しめ縄を見にいきたくなりますよ。
出雲大社のしめ縄は日本一大きい?
写真で見てもその大きさに圧倒される出雲大社のしめ縄ですが、日本一の大きさなのでしょうか?島根県にある出雲大社総本社と茨城県笠間市にある常陸国出雲大社、そして福岡県の宮地嶽神社のしめ縄をくらべながら検証していきましょう。
島根県・出雲大社総本社のしめ縄
まず、島根県にある出雲大社総本社のしめ縄から。
拝殿のしめ縄は、長さ6.5m、重さ1t。
それより大きい神楽殿のしめ縄は、長さ13.6m、重さ5.2tです。
拝殿は、昭和34年に竣功された建物で、参拝者のご祈祷やさまざまな奉納行事が行われる場所。
神楽殿は、もともと千家國造家(出雲大社宮司家)の大広間として利用されていた建物で、明治以降は出雲大社教の神殿として、ご祈祷や結婚式などが行われています。現在の建物は、昭和56年に御造営されたものです。
ちなみに、しめ縄から下がっている円錐形の〆の子は直径1.7m、高さ2.1m、重さ300kgもあるそうです。
茨城県笠間市・常陸国出雲大社のしめ縄
そして、茨城県にある出雲大社の分社、常陸国出雲大社の大しめ縄は長さ16.0m、重さ6.0tです。このしめ縄は令和4年に、ご鎮座30年を記念して掛け替えられたもの。大きさをみると、出雲大社総本社のしめ縄よりも大きいことがわかります。
しかし、実はこのしめ縄も総本社のしめ縄を手がける島根県飯南町のしめ縄創作館が制作したもので、島根県まで行かなくとも、同等のしめ縄に会える感動を届けたいと、宮司さんがクラウドファンディングも並行して実現させたといいます。
出雲大社以外と比べてみると、福岡県宮地嶽神社のしめ縄は、直径2.6m。長さ11mですので、やはり大きさでみると、出雲大社のしめ縄が日本最大級といえるでしょう。
出雲大社のしめ縄ができるまで
(出典:大しめ縄創作館ホームページ)
常陸国出雲大社のしめ縄は10年に一度の交換ですが、出雲大社総本社のしめ縄の交換は5〜6年に一度で、直近では平成30年7月に行われ、神楽殿の御造営から7度目の交換だそうです。
しめ縄作りを担当するのは、島根県飯南町にある「大しめ縄制作館」です。
ここでは大しめ縄創作館のホームページを参考に、しめ縄ができるまでを紹介します。
大しめ縄の材料
しめ縄には飯南町産の稲わらを使用しているため、しめ縄作りは田植えからはじまります。しめ縄には「赤穂餅」というもち米の品種を用い、5月に田植えをし、8月に収穫します。さらに、しめ縄を吊るす「吊り木」は飯南町の檜を使用しており、太さ65センチ以上、かつ20m以上の長さを持つまっすぐな木であることが求められます。
大しめ縄の作り方
材料がそろったら、しめ縄を作っていきます。
1、稲わらを束ねて30cmほどの長い束を何本もつくり、それを中心の周りに合わせていき、直径1.5m、長さ16mの大きな大縄を2本つくります。
2、中芯を包むための菰(こも)を作ります。菰の大きさは長さ18m、横幅3.6mです。
1で作った大縄に菰をかけて包みます。他にも直径8cmの飾り縄や〆の子も作ります。
3、しめ縄作りのクライマックスが「大撚り合わせ」です。
2本の大縄の元を支柱に固定し、片方をクレーン2台で持ち上げ、もう一本を人力で転がして撚り合わせる作業を繰り返すもの。平成30年の掛け替えの際には総勢80名、5時間に及ぶ作業が行われたそうです。
4、撚り合わせられたしめ縄は、吊り木に固定され出雲大社まで運ばれます。到着後〆の子をつけたら、神楽殿に吊り下げられ、拝殿で神事が執り行われます。最後に宮司さんが紙垂をつけ完成です。
出雲大社の大しめ縄制作の一連の流れがわかる動画はこちら
https://youtu.be/espZ0g51uEE?si=4xPAZAua1z5GgU7Y
大しめ縄創作館のしめ縄は全国にある
常陸国出雲大社の大しめ縄の制作のように、大しめ縄創作館では、全国から発注されたしめ縄の制作を行っています。海外では出雲大社ハワイ分院や個人の注文、南は沖縄分社から、北は山形県天童市の出雲神殿へと広範囲に及びます。
また、しめ縄の制作現場の見学やしめ縄作り体験などもでき、しめ縄の魅力を世の中に伝えています。
まとめ〜出雲大社のしめ縄は日本最大級〜
出雲大社のしめ縄は日本最大級であること、向きが一般的な神社とは逆であること、多くの人が関わり、大しめ縄が作られていることが分かりました。
実際に訪れてみると、大きさに圧倒されると同時に、多くの人々の想いがつまったしめ縄であることが感じられるはずです。一度訪れてみてはいかがでしょうか。