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しめ縄と厄除けの関係は?しめ飾りと茅の輪くぐり、蘇民将来の説話を解説

神社_厄除け_しめ縄

 

しめ縄の種類には「茅の輪くぐり(茅輪神事)」の茅の輪やお正月のしめ飾りがあり、これらのしめ縄は「厄除け」として大切にされてきた伝統があります。

この記事では、しめ縄と厄除けに焦点をあて、厄除けの神様であるスサノオノミコトや 三重県の一部でみられる特別なしめ飾り、茅の輪について解説します。

 

 

厄除けとは

 

 

神社_厄除け_置き物

 

 

 

「厄除け」とは、厄災や邪気がよってこないように祈願・祈祷することで予防の意味合いが強いものです。

この厄除けの神様として有名なのがスサノオノミコトであり、これから紹介する「蘇民将来」の説話とも深い関わりがあります。

 

 

厄除けの神様・スサノオノミコト(素戔嗚尊・須佐之男命)

 

 

伊弉諾命_スサノオノミコト_置き物

 

 

スサノオノミコトは『古事記』では伊弉諾命(いざなぎのみこと)が黄泉の国から逃げ帰ってきたときに禊をして生まれた神であり、太陽の神・天照大神の弟神です。

 

とはいえ、荒々しい性格のスサノオノミコトは、次々と乱暴な行動を行ったため神様の住む高天原から追放され、出雲に降りることとなります。ただ、降りた後は善行も多く、ヤマタノオロチを退治したことや暴風雨を司る力強さなどから災厄を払う神といわれるようになりました。

 

また、インドの祇園精舎の守護神であり、疫病の神様である牛頭天王とも神仏習合し、ともに厄除け・疫病避けとして信仰されています。

 

 

蘇民将来の説話と須佐之男命

 

 

神社_鳥居_紙垂_お正月_しめ縄

 

 

しめ縄とスサノオノミコト、厄除けを語る上で欠かせない説話が「蘇民将来」の話です。

 

『備後国風土記』逸文によると、須佐之男命(スサノオノミコト)が伊勢を旅した際に、泊まるところがなく困っていたところ「蘇民将来」という人物が貧しいながらも家に泊めてもてなしました。

 

須佐之男命はこれを喜び、恩として「蘇民将来の子孫と書いて、茅の輪を門口にかけておけば子孫代々病を免れる」または「疫病を逃れるために、茅の輪を腰につけなさい」

と言い残します。

そのおかげで、のちに疫病が集落を襲った際に、蘇民将来の子孫だけが助かったという話です。

 

(この話は地方によってストーリーが違ったり、スサノオノミコトが神仏習合した牛頭天王になって伝わったりといく通りもあります。)

 

ちなみに京都の祇園祭でお守りとして配られる「粽(ちまき)」は、「茅巻き」からきたものであり「私は蘇民将来の子孫ですので、病気や災いから護ってください」という意味が込められているのです。

 

これは、祇園祭のはじまりである祇園御霊会において、牛頭天王が祀られたことが関係していると考えられます。

 

 

1年中飾られる三重県のしめ飾り

 

 

しめ飾り_しめ縄_お正月_小さい_紙垂

 

 

蘇民将来の話に影響を受けた文化をふたつ紹介します。

 

ひとつ目は、三重県の一部地域で一年中飾られているしめ飾り。

しめ飾りは、たいていは正月がすぎると、どんど焼きなどで焼かれるので、つけているのは正月の間だけですが、三重県の伊勢市や松阪市、志摩市では一年中玄関の軒先にしめ飾りを飾るのです。

 

 

しめ飾りの意味

 

 

しめ飾り_お正月_しめ縄_初春_

 

 

 

お正月のしめ飾りは、もともとは神社がしめ縄を張るのと同じ理由で、自分の家が年神様を迎えるのにふさわしい神聖な場所であることをしめすためでした。それに願いを込めた縁起物がつけられてしめ飾りとなったのです。

 

三重県の一部では、蘇民将来の説話から、蘇民将来の子孫であるという門符(もんぷ)を茅飾りとともに玄関に掲げることで厄払いする文化があります。

 

 

蘇民将来の門符

 

 

しめ飾り_お正月_紙垂_小さいしめ縄

 

 

門符とは、しめ縄の中央に掲げるお札のことで「蘇民将来子孫門」と書かれていることが多いですが、近年では、現代風にアレンジした「笑門」や「千客万来」などもよく見られるようになりました。

 

蘇民将来の門符は、本殿の脇の小さな祠に蘇民将来の墓がある伊勢市二見町の松下社で頒布されたり、自分で書いたり、ホームセンターで購入したりできます。

 

 

茅の輪くぐりと夏越の祓

 

 

神社_しめ縄_お参り_参拝

 

 

夏越の祓とは、毎年6月30日に半年間の穢れを清めて災厄を払い、このあとも半年無事に過ごせるようにと祈る神事のこと。日本では昔から夏を迎えるこの時期に疫病が流行ることが多かったため、厄祓いと無病息災を祈って行われていました。

 

この夏越の祓で行われるのが「茅の輪くぐり」です。

茅の輪くぐりとは、茅で編んだ直径数メートルの輪をくぐり、心身を清めて厄災を払い、無病息災を祈願する神事です。

 

 

「茅の輪」は蘇民将来の話に由来

 

 

神社_置き物_仏像_

 

 

「疫病を逃れるために、茅の輪を腰につけなさい」。

スサノオノミコトが蘇民将来の家を去る前にこのように言い、実際に疫病を逃れることができたことから、疫病よけに茅の輪を腰につけるようになります。そして次第に現在のようにくぐるようになったと言われています。

 

 

茅の輪のくぐり方

 

 

茅の輪のくぐり方_神社_しめ縄_参拝

 

 

唱え詞を唱えながら8の字に3度くぐるのが一般的ですが、唱え詞は「蘇民将来」の場合もあれば「祓い給ひ、清め給へ、守り給へ、幸へ給へ」など、いくつかあります。参拝する際は神社の作法に従ってお参りしましょう。

 

 

まとめ〜しめ飾りや茅の輪に受け継がれたおもい〜

 

 

蘇民将来の説話の影響を受けた信仰として、三重県のしめ飾りや夏越の祓の「茅の輪くぐり」があり、両者にはしめ縄との関わりがあると分かりました。蘇民将来のしめ飾りを飾ったり、茅の輪をくぐったりすることで、厄除けや疫病を避けたいという願いは、いつの世も同じなのかもしれませんね。

 

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