干支のひとつである「うさぎ」。うさぎはイースターのシンボルなど世界中で幸福のシンボルとして大切にされてきました。
この記事では、うさぎのイメージやご利益、有名な神話、そして卯年生まれの人やうさぎ好きの人にも人気のある、うさぎにまつわる神社をご紹介します。
うさぎのイメージやご利益
うさぎは、優しく、温厚なイメージから、家内安全や家庭円満、多産であることから、安産や子孫繁栄のご利益があるといわれています。
さらに飛び跳ねることから、飛躍、向上を表し、逃げ足が早いことや「兎」という漢字が「免（まぬがれる）」に似ていることから、悪運や災いを避けるという縁起のいい意味があります。
また、小さい音でも聞こえる長い耳は、良い情報を集め成功につながる、さまざまな幸運を引き寄せるといわれています。
日本人とうさぎ
日本人とうさぎは古くから付き合いがありました。
現在ペットとして飼われているのは「カイウサギ」という品種で、明治維新後に日本に輸入されたうさぎです。
日本にもともといたのは「ノウサギ」。縄文時代から食料として食べられていたことがわかっていますし、畑を荒らす害獣として農家の悩みの種にもなっていたのです。
うさぎの物語で有名なのが、古事記に出てくる「因幡の白兎」の話です。
うさぎがワニ（サメ）を騙して一列に並ばせて、背中の上を渡って海を渡り、最後に騙していたことがばれて、怒ったサメに皮を剥ぎ取られてしまいます。
通りがかった神様にも、海に入って風に当たると良いといわれ、その通りにすると悪化してますます傷が痛みます。そこにおおなむぢの神（＝大国主命・おおくにぬしのみこと）が通りかかり、治療法を教えました。感謝したうさぎは、お礼に大国主と八上比売（やがみひめ）の結婚を予言するというような話です。
この他にも、月にうさぎがいるイメージは、古代インドにはじまり、中国や朝鮮半島を経由して日本に伝わったと考えられており、月で餅をつくイメージは江戸時代ころからだといわれています。
うさぎにまつわる神社
うさぎには、よいイメージや多くのご利益があることがわかりました。
ここではうさぎ卯年や卯年生まれの人、うさぎ好きの方に人気がある、うさぎにまつわる神社を5つご紹介します。
熊野大社（山形県南陽市）
1200年の歴史を誇る熊野大社は「東北の伊勢」と呼ばれる「日本三熊野」のひとつです。
本殿裏にうさぎが隠し彫りされており、この「三羽のうさぎ」をみつけると願い事が叶う、幸せになれると言い伝えられています。
また、祀られているのがイザナギノミコトとイザナミノミコトという男女の神様であり、日本で最初に結ばれた夫婦の神様なので、縁結びのご利益もあるといわれています。
白兎（はくと）神社（鳥取県鳥取市）
先ほどご紹介した神話「因幡の白兎」の「白兎神」を祀る神社です。
因幡の白兎が体を洗ったとされる「御身洗（みたらし）池」があり、1年をとおして水位が変わらないことから不増不滅の池とよばれています。
また、神話のなかで大国主と山上姫の婚姻をうさぎが取り持ったことから、縁結びスポットとして、さらに因幡の白兎の神話にちなんで、皮膚病ややけどなどにもご利益があるといわれています。
宇治神社・宇治上神社（京都府宇治市）
宇治はかつて「菟道」と書いて「うじ」と読んだと言われ、宇治はうさぎと関わりが深い場所でもあります。宇治神社と宇治上神社はかつて一体でした。
宇治神社の御祭神は菟道稚郎子命（うじのわきいらつこのみこと）。約1700年前、河内国から宇治の地へと向かう際に、道に迷った菟道稚郎子命の前に兎が現れ、何度も振り返りながら、安住の地へと先導した伝説がのこっています。
この兎は「みかえり兎」といい、正しい道や幸せの場所、良縁へと導いてくれるといわれ、「うさぎさん巡り」といって、本殿のまわりを周り、うさぎの置物に巡り会えたら願いが叶うとされています。
住吉大社（大阪府大阪市）
住吉神社の総本社であり、国宝に指定された本殿をもつ住吉大社では、うさぎが神使とされています。それは神功皇后が約1800年前の辛卯の年、卯月卯日に住吉大神を祀ったことから。
第四本宮前には2011年に置かれた、翡翠の「なでうさぎ」があり、気になるところをなでると無病息災のご利益があるといわれています。正面参道の「反橋（そりはし）」を渡った左手にある手水舎にはうさぎの手水口があります。
調（つき）神社（埼玉県さいたま市）
調神社は「月」と同じ読みであることから、月待信仰と結びつき、月神の使いである兎が守り神になっています。狛兎、手水、社殿にも兎が数多くみられますし、名前の通り「ツキ」を呼び込むとして勝負運のパワースポットとしても有名です。
まとめ｜うさぎにまつわる神社に参拝しよう
うさぎにまつわる神社で人気なのが、縁起のいいイメージや可愛らしい雰囲気がある、うさぎのモチーフがついた御朱印や御朱印帳、お守り、絵馬などです。次の卯年まではしばらくありますが、気になる神社に参拝し、心がひかれたお守りを身につけるのもよいかもしれません。
