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寅年の意味やご利益は?一度はお参りしたい神社や寺をご紹介

干支_寅年_トラ

干支のひとつである「虎」。日本には野生の虎はいないにもかかわらず、古くから虎信仰や虎を描いた屏風絵などがあり、日本人にとってある意味身近な存在でした。

この記事では、寅年の意味や日本人と虎との関わり、虎にまつわる神社をご紹介します。

 

 

 

 

寅年の意味・ご利益

 

寅年_ご利益

 

虎は勇猛で力強いイメージから、武力や勇気、魔除けのご利益があるとされています。また武運長久、開運厄除、商売繁盛のご利益も。

 

黄金色の縞模様から金運を授かるともいわれ、「虎は千里行って千里帰る」ということわざから、旅立ちの縁起物としても親しまれています。 

 

虎は毘沙門天の使い

 

虎_毘沙門天の使い

 

虎は毘沙門天の使いとして「一晩で千里を走り、人々の願いを聴いて回る」と伝えられています。

 

その由来は古く、約1400年前に遡ります。聖徳太子が奈良の信貴山で戦勝を祈願した時、寅の月、寅の日、寅の刻に毘沙門天が現れ、必勝の秘法を授けたと言います。また、鑑真和上の弟子は霊夢の中で、同じく寅の月日刻に、鞍馬山で鬼女から毘沙門天に救われたとも伝わっています。

 

これらの故事から、毘沙門天は寅の刻に現れるという信仰が育まれ、今日でも「寅の日参り」として親しまれています。願いを携えて寅の日に参拝すれば、必ずや叶うとされているのです。

 

毘沙門天は、古代ヒンドゥー教では金運と福徳の神として、また仏教では守護の神として崇められ、鎧姿で描かれる勝利の神です。七福神の一柱として、勝運、厄除け、商売繁盛、金運、開運招福、心願成就の御利益を授けると信じられています。

 

虎と日本人

 

虎_日本人

 

虎は、日本には野生として生息していないにもかかわらず、古くから民俗的に信仰されている珍しい動物です。江戸時代の終わり頃になると、見世物として生きた虎を見ることができた人びともいましたが、多くの人にとって長らく想像上の生き物でした。

 

虎と日本人との関わりは古く、古代まで遡ります。外交によって毛皮が輸入されたり、朝鮮半島や大陸に渡った人々が日本に帰って体験談を伝えたりしたため、日本人の知るところとなりました。

 

例えば、奈良の法隆寺に伝わる「玉虫厨子」には「捨身飼虎図」が描かれていますし、7〜8世紀と推定されるキトラ古墳では、虎の頭をもった獣頭人身像が発見されています。

 

平安貴族たちは、無病息災や護身のために虎皮を求め、鎌倉以降の武士たちは、虎皮を武具の一部に使用して、強い虎の力と同化しようとしました。

 

江戸時代になると、虎信仰は庶民の間にも広まり、「虎張子」のような玩具が生み出されました。これは、虎の勝負運や魔除け、商売運、そして大切に我が子を育てるという姿から、子どもの健やかな成長を祈願するといった願いが込められています。

 

寅にまつわる神社

ここでは寅にまつわる神社をご紹介します。

 

加藤神社(熊本県熊本市)

 

神社_加藤神社

 

熊本城内にある加藤神社は、築城主である加藤清正公を祀った神社。

2月3日の節分の日には「厄よけ虎くぐり」が行われ、参拝者は虎の口をくぐります。

 

加藤清正といえば「虎退治」の逸話が有名で、秀吉の命で朝鮮に出兵した際に、槍で虎と戦っている様が、武者絵や五月人形にもなっています。(実際には鉄砲で仕留めたと考えられています。)

 

大江神社(大阪府大阪市)

 

神社_大江神社

 

狛虎がいることで有名な神社が大阪府にある大江神社です。大江神社は四天王寺の鎮守として聖徳太子が祀られている天王寺七宮のひとつ。境内の奥には「狛虎」がおり、現在は空き地となっていますが、もともとは毘沙門天をまつる社があり、その守護が狛虎だったといわれています。

 

虎にまつわるお寺

ここで、虎といえば欠かせないお寺をご紹介します。

 

信貴山朝護孫子寺(ちょうごそんしじ・奈良県生駒郡)

 

寺_信貴山朝護孫子寺

 

先述した聖徳太子が毘沙門天から必勝の秘法を授けられたというのが、この寺がある信貴山です。この故事から、寅の縁日にお参りすると、ご利益を授かるとして古くから信仰を集めてきたお寺です。

ご本尊は毘沙門天王で、毘沙門天王信仰の総本山でもあります。

また、「世界一福寅」という巨大な張子の虎がおり、金運や学業成就にもご利益があるといわれています。

 

鞍馬寺(京都府京都市)

 

寺_鞍馬寺

 

源義経が幼少期に過ごした寺院としても有名な鞍馬寺では、本尊の一尊が毘沙門天であり、「寅の月、寅の日、寅の刻」に鞍馬山に出現したと伝わっています。

 

ご本尊である「尊天」は毘沙門天王、千手観世音菩薩、護摩魔王尊の三身一体の仏像で、60年に一度「丙寅(ひのえとら)」の年にのみご開帳される秘仏。

本殿金堂前には青銅製の狛虎、仁王門の前には石造りの狛虎が鎮座しています。

 

まとめ〜虎は古くから親しまれていた〜

 

虎_神社・寺_参拝

 

日本に存在せずとも、古代から存在感があり、信仰が生まれていた虎。イメージ通り勝負運や開運厄除けなどのご利益がいわれていることに加え、子どもの健やかな成長を祈る張子の虎など、さまざまな面で日本人に親しまれてきたことが分かりました。

 

寅の日参りは寅年に限らずお参りできますので、特別な願い事がある時はお参りしてみてはいかがでしょうか。

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