しめ縄にはさまざまな編み方がありますが、多くの場合、3本の縄を撚り合わせて作ります。この記事では、神社のしめ縄の作り方、家庭用神棚のしめ縄とお正月のしめ飾りの作り方をご紹介します。
神社のしめ縄と自宅のしめ縄の違い
しめ縄といっても、大きく分けて、神社につけられるものと家庭で使われるものがあります。神社では、本殿や拝殿、鳥居には大きくて立派なしめ縄が張られ、手水舎や御神木などには、細めの縄(左縄)が用いられることが一般的ですが、その形やしめ縄から垂れ下がっている、紙垂(しで)、しめの子の数・形は神社によって特色があります。
一方、家庭用のしめ縄は神棚のしめ縄とお正月のしめ飾りに大別されます。
神棚は、家庭内で神様をお祀りするための場所のことで、地域によって特色がありますが、ごぼう締めや前垂れのついたものが一般的です。
※神棚の前垂れ型しめ縄の作り方一例(新潟県南魚沼市)
https://youtu.be/lR5TM7wmCBs?si=6Vg7QkrGgJMCkgeI
お正月のしめ飾りは、神社のしめ縄から派生したもので、正月に家のまわりにしめ縄を張り巡らせて邪気を払っていたものが、次第にしめ縄を造形し、縁起物の飾りをつけるようになったといわれています。
神社のしめ縄作り方の例
神社のしめ縄は、それぞれの神社で形や大きさ、使う材料、交換の時期、制作する人が違うため、千差万別です。
岩手県金ヶ崎町スゲのしめ縄作りの例
ここでは、岩手県金ヶ崎町のいくつかの神社に、スゲのしめ縄を奉納している、久保光雄さん・英子さんご夫妻を取り上げました。
しめ縄を編む前の準備として、スゲ草を夏に刈り取り、乾燥させ、緑を冬まで保っておきます。
下準備ができたらしめ縄を編んでいきます。
1、スゲ草を打ち、3つの同じ大きさの束にする
2、あんこ(芯)を3本作る
3、スゲ草の束の中に、芯を入れ、3本を綯っていく。まず2本を綯い、さいごに3本目をそわ沿わせるように巻き付けていく
4、しめの子と紙垂をつける
5、神社に取り付ける
(参考)https://youtu.be/JBWa0Ruyi1g?si=_oQ4R_QWGX6vtNyd
3本編みではない場合の例:島根県出雲大社
ちなみに、しめ縄は3本の束を合わせていく作り方が主流ですが、日本最大級の大きさを誇る出雲大社のしめ縄は、2本をねじり合わせるスタイルです。巨大な中芯を菰(こも)で包んで大縄を作り、クレーンで1本を持ち上げ、もう1本を人力で動かして合わせていきます。
出雲大社の大しめ縄制作の一連の流れがわかる動画はこちら
https://youtu.be/espZ0g51uEE?si=4xPAZAua1z5GgU7Y
自宅でできる簡単しめ縄の作り方
しめ縄作りは難しそうに思えますが、小さいものであれば意外と簡単です。
ここでは、自宅でできるしめ縄(輪飾りのしめ飾り)の作り方をご紹介します。
自宅用しめ縄の編み方
1、稲わらの不要な部分を取ります(袴取り)
2、霧吹きで湿らせるか、水にさっと浸して扱いやすくします
3、適度にたたきます
4、稲わら30本〜40本くらいを束ねる
5、束を3つにわけて、2束を綯う
6、時計回りにねじりながら、ねじったまま、反時計回りにまわして合わせていく
(Yの字を意識すると、真っ直ぐに編める)
7、2本が合わせられたら、残りの1束を時計回りにねじりつつ、先ほどの縄のくぼみにそわせて2目おきに巻いていきます
8、飛び出した藁をカットして整えます
できたしめ縄は、輪っかにして固定し、飾りをつければ、しめ飾りになります。オリジナルの飾りを作るのも楽しいですね。
また、しめ縄を綯う作業は、最初は混乱しますが、慣れれば手のひらでねじりながら合わせられるようになります。
(参考)基本的な、縄の綯い方はこちら
https://youtu.be/7oMvN0191jE?si=62GZXHGNx1C9r3fT
(参考)こちらの「水引しめ縄」の作り方もとても分かりやすいので、ご参照ください。
https://craftie.jp/style/article/22504
まとめ〜しめ縄は3本で編むのが基本〜
しめ縄の編み方や形は地域によって特色がありますが、3本で編むのが基本です。ねじりながら合わせていく作業は、慣れるまでは混乱するかもしれませんが、小さなしめ縄であれば意外と簡単にできてしまうことに驚くかもしれません。稲わらなどの材料は、農家さんに分けてもらえたり、インターネットで買うこともできますし、水引や麻紐などでも作れます。来年のお正月は、手作りしめ縄を飾って迎えてみてはいかがでしょうか。