神棚とは家庭に神様をおまつりするお社で、神社でいただいたお神札をおまつりし、家庭の安寧を願うためのものです。この記事では、神棚の種類やしめ縄をはじめとする神具のまつり方、拝し方などをご紹介します。ぜひ、神棚を新調したり、おまつりしたりする際の参考にしてください。
神棚のまつり方
神棚は神様をおまつりする神聖な場所ですので、おまつりの仕方にも作法があります。
神棚におまつりするもの
神棚の中央にはお札を納めます。神具は中央に神鏡を置き、そしてお皿にお米、お塩、お水を毎朝お供えします。
その両脇に平次(御神酒壺)その外側にローソク立て、さらに外側に榊建てを並べます。
神棚は年末に大掃除し、新しいお神札と交換します。その際、しめ縄や御簾なども新しいものに交換し新たな年を迎えるとよいでしょう。
神棚にお参りする際は、神社での作法と同じように「二拝二拍手一拝」をして拝みます。
しめ縄の向き
しめ縄は、神様のいらっしゃる神聖な場所を表すものです。
しめ縄の向きにも注意が必要で、一般的に、左を上位とするため、むかって右にない始め(太い方)がくるように飾りましょう。
しめ縄についているヒラヒラした白い紙を紙垂といい、紙垂の表を外側に向けます。これはよくないものや不浄なものが神聖な場所に入っていかないようにする意味があります。
神棚の種類
神棚には、さまざまな種類があり、伝統的なものから、近年ではインテリアにもなじむ壁掛け型や卓上型、簡易型なども登場しています。
ここでは扉の数や屋根の形など、ポイント別に違いを解説します。
扉の数の違い
神棚はお札をおさめる扉の数によって造りや種類が違います。一社造、三社造、五社造、七社造があり、数字が奇数なのは、縁起がよいとされているからです。
以下でみていきましょう。
一社造
一社造は、一般的な神棚のひとつで、小さなスペースでもおまつりでき、神札を3枚重ねておまつりします。神札は手前から神宮大麻、氏神様、崇敬神社の順で重ねます。
三社造
三社造は最も一般的な神棚で、三枚の神札を並べておまつりできます。神札は中央に神宮大麻、むかって右に氏神様、左に崇敬神社の神札をおまつりしましょう。
五社造・七社造
五社造や七社造は、お神札をさらに複数並べておまつりできる神棚です。中央に神宮大麻、右側に氏神神社を納め、その他の場所に崇敬神社をおまつりします。
屋根の形の違い
神棚は屋根の違いによっても分類できます。
箱宮
屋根がなく略式であるのが箱宮です。神具も並べられる箱型の神棚で、背丈が低めなので高さに制限があるところに最適です。
箱宮は、北海道〜北陸地方にかけて多くみられ、壁掛けタイプの箱宮もあり、すっきりとおさまる利点があります。
通し屋根
高さに違いがなく一直線の形をしているのが通し屋根です。
屋根違い
中央が高く両脇を低くしたものが屋根違いで、より立体感があるのが屋根違いです。
切妻造
正面からみて本を開いて伏せたような形をしているのが切妻造です。
屋根材質の違い
神棚は屋根の材質によっても違います。屋根の種類によって、金額や手入れのしやすさが違ってきますので、選ぶ際の参考にしてください。
板葺き
板ではられた屋根のこと。すっきりとした印象があり、掃除がしやすい一般的な屋根です。
茅葺き屋根
ススキ、ヨシ、イネなどを束ねて重ね、切り揃えて造られる屋根です。
重厚感がありますが、お手入れの難易度が高いのが特徴です。伊勢神宮も茅葺きであるためか、伊勢地方で多くみられます。
檜皮(ひわだ)葺き屋根
文字通り、檜(ひのき)の皮を薄く剥いで、重ね合わせてつくったものが檜皮葺で、こちらもお手入れの難易度がやや高いです。
柿(こけら)葺き屋根
薄く切った板材を敷き詰めて固定してつくった屋根。多くの場合ヒノキが使われますが、板材を問いません。こちらもお手入れの難易度は板葺きよりも上がります。
神棚の材料
神棚の材料は、檜(ひのき)やヒバ材を用いた白木製のものが一般的で、とくに柾目(まさめ)のものが最上とされています。柾目とは木目の種類のことで、木を縦に切ったときにあらわれる真っ直ぐな木目のことをいいます。
また、檜のなかでも、木曽ひのき、東濃ひのきが高級とされており、他にも、けやきやヒバなどが使用されています。
神棚をまつる場所・交換時期
神棚は、家の中で家族が親しめる、明るく綺麗な部屋の天井近くの目線よりも高い位置に
おまつりしましょう。
その際、神札の正面が南または東向きになるようにし、トイレと背中合わせになる場所や人が出入りするドアの上はさけましょう。
また、仏壇と同じ部屋にまつる時は、拝む時にどちらか一方におしりを向けることになるため、向かい合わせで飾らないようにしてください。
神棚の交換時期ですが、地域や家庭によって取り替える時期はさまざまです。
5年、10年、15年など5年ごとに区切って取り替えたり、毎年新しくする地域もあります。
伊勢神宮は20年に一度、式年遷宮といってお社を新しいものに建て替えるため、家庭の神棚も新しくして古くならないようにした方がよいといわれています。
まとめ〜あなたの家にあった神棚を選びましょう〜
神棚にも三社造、五社造など、扉の数の違いや屋根の形や材質による違いなど、さまざまな種類があることがわかりました。大きさや造り、材質などによって金額やお手入れのしやすさも変わってくるので、ご自身の生活にあったタイプの神棚を選び、より清々しい気持ちでお参りできるとよいですね。