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明治43年創業
株式会社折橋商店

しめ縄の青刈りとは?稲わらと日本人の関わりを知る

しめ縄_青刈り

青々としてほんのり稲の香りがする、青刈りした稲わらで作られたしめ縄。青刈りとは、しめ縄用の稲を稲穂が実る前の青々とした状態で刈り取ることをいい、この青い(緑色)のしめ飾りのための準備は、その年の春からはじまっているのです。

 

この記事では、青刈りのしめ縄ができるまでの流れ、そして稲わらと日本人の関わりについてご紹介します。

 

 

 

 

しめ縄に使われる青刈りした稲わらとは?

 

青刈り_稲わら

 

青刈りは、稲穂が実る前の青々とした状態で稲を刈り取ることをいい、青刈りした稲わらは乾燥させて、秋〜冬にかけてしめ縄作りに使われます。

神様へ奉納するために稲わらを作り、青い稲わらをしめ縄に使用してきた地域もありますが、昔は稲穂を刈り取った後のわらを使って、氏子がしめ縄を作り、神社に奉納したり、お正月のしめ縄を作ったりすることの方が主流でした。

 

また、昭和の減反政策の転作の一環として、しめ縄用の稲わら作りがはじまった地域があります。米を作りすぎないようにしなければなりませんが、田んぼは休耕するとたちまち荒れ果ててしまうため、稲を植えて加工用の稲わらとして栽培を開始したそうです。

  

青いしめ縄のわらができるまで

 

青刈り_しめ縄_できるまで

 

青く美しいしめ縄やしめ飾りを作るには、春から作業がはじまります。

 

まず、3月下旬から5月には、稲を育てます。種籾を選別し、浸水や乾燥の準備が整ったら、育苗箱に均一にまき、発芽させます。(芽出し)1ヶ月程度で約15cmほどに成長したら苗の準備が整います。

 

4月下旬ごろ、田んぼの土を混ぜる田起こしを行い、水をためて土を柔らかくします。それから土を砕いて平らにするしろかきを行い、土地の準備を整えます。

 

5月には田植えが行われます。できるだけ真っ直ぐ均等に植えることで、よく育ち、刈り取りもスムーズになるのです。日々の管理を経て、稲はすくすく育ちます。

 

刈り取りは、7月下旬〜8月中旬までのもっとも暑い季節に行います。穂を出す前の、稲が一番青々とした状態で刈り取ります。

 

刈り取ったわらは、その日のうちに乾燥機にかけます。この時期のわらは水分がたっぷり含まれているため、熱風を長時間あててしっかりと乾燥させることで、虫やカビ、変色を防ぎます。

 

さらに、変色したものやクズを取り除き選別します。選別されたわらは、温度と湿度が一定に保たれる保管庫へ入れて大切に保管します。ここで1ヶ月ほどねかせることで、柔らかくなり、加工に最適なわらが出来上がるのです。

 

(参考:​​https://www.hashidate-dento.jp/flow/ )

 

青刈りに適した品種

 

青刈り_品種

 

食用の稲わらと青刈りに適した品種は違っており、丈の長い品種が選ばれ栽培されています。以下で、地域と使用されている品種や種類の一例をご紹介します。

 

・栃木県塩谷郡塩谷町…実とらず、もち米、コシヒカリ

・新潟県糸魚川市…古代米、伊勢錦

・島根県飯南町…赤穂もち

・愛知県日進市…東海千本

・富山県朝日町…水島

・愛知県岡崎市…東海千本、古代米

・岡山県津山市…新千本

 

稲わらと日本人の関わり

 

稲わら_日本人_関係

 

米とともにできるわらは、私たちの生活に欠かせないものでした。

日常生活に使用する数多くの日用品。例えば、ひも、草履、わらじ、雪ぐつ、みの、ひよけの笠、調理に使うなべしきやおひつ、敷物に使うむしろやこも、お米を保存したり運んだりする米俵など、数多くのものが作られてきました。

 

さらに、しめ縄やしめ飾りだけでなく、鹿島様や道祖神など、村の入口に立っている人形も、わらでできています。ほかにも形を変えて、燃料や家畜の餌、屋根の材料、土壁に練り込むものとして、また、わらを焼いた灰は、肥料やアク抜き、染物などにも使用されてきました。

 

日常に使う物や身近なものにわらを使うことは理にかなっています。というのも、稲わらは稲を刈り、脱穀して残った稲作の副産物だからです。

物質的にも大切に利用するし、精神的にも大切にしてきたのですね。

しかし、近年では、稲わらを余すところなく使い循環させるという利用のしかたも難しくなっているのが現状です。

 

まとめ〜青刈りの稲わらと抱えている問題〜

 

稲わら_問題

 

青刈りして作られる、しめ縄用の稲わら作りは、後継者不足や高齢化などの問題から、継続する難しさを抱えています。さらに外国産の丈の長い草で作られる安価なしめ飾りとの兼ね合いもあるため、価格面での問題もあります。

 

とはいえ、しめ飾りはお正月に歳神様をお迎えするもの、神社のしめ縄は神様に奉納されるものですので、職人さんや農家さんが作る心のこもったしめ縄を飾りたいと、しめ縄を守るために活動している方や生産者を応援している人たちもいることは事実です。

 

日本の伝統が続きますように、折橋商店も、真心をこめてしめ縄を製作しています。

 

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