しめ縄といっても様々な種類があります。左右の太さが違うしめ縄を牛蒡型しめ縄と呼びますが、牛蒡型しめ縄は神社に取り付けられることに加え、神棚に飾られることが多いのが特徴です。今回は牛蒡型しめ縄について詳しくお伝えします。
目次
牛蒡型しめ縄の特徴
牛蒡型しめ縄は、その名の通りごぼうのような形をしているしめ縄です。藁などを一方向にねじった細長いもので、綯い始め(ないはじめ)が太く、綯い終わり(ないおわり)が細くなっています。ただ、地域によっては左右の太さの変わらないものを指す場合もあります。
一般的には「左が神聖」「右が俗」とされているため神様から見て左側が太くなるように取り付けますが、太い部分を太陽の強い方向へ向けるなど、地域や神社によって向きが違ってきます。
ちなみに牛蒡型と同じような形で太さの太いものを「大根型」といい、牛蒡や大根の形にしたことは豊作祈願も関係していると考えられています。
牛蒡型しめ縄の本体
その名の通りごぼうのような形をしています。なぜ片方が太くなるかというと、もともとの稲の根元が太くなっているためです。一般的には「左縄」といって左回りつまり反時計回りでねじったもので「左綯い」(ひだりない)とも呼ぶ作り方をしています。
牛蒡型しめ縄の房
房は紙垂と共にしめ縄から垂れている、しめ縄本体と同じ素材でできたもので、ぼんぼりのような形や、雨のように垂らしている形などさまざまなものがあります。しめの子ともいい、通常は3カ所または5カ所、奇数で取り付けることが多いですが、中には房のない牛蒡型しめ縄もあります。
牛蒡型しめ縄の紙垂と御幣
紙垂(かみしで)は、しめ縄から房とともに垂れ下がっている紙のことで、基本的に3〜4枚、房の間に取り付けられます。折る方向で表と裏があると言われています。紙垂は雷光を表した形をしており紙垂を挟むことで、さらに神聖さを表しています。
この紙垂を木や竹の串に挿んだものを「御幣(ごへい)」といい、人々が神々に貴重な品を捧げてきたことからはじまり、次第に布類、そして紙へと変化し普及したものです。
牛蒡型しめ縄が取り付けられている場所・意味・取り付け方
神棚に取り付けられることが多い牛蒡型しめ縄ですが、取り付けている神社もあり、太さや大きさもさまざまです。稀に伊勢神宮のようにしめ縄のないところも存在します。
牛蒡型しめ縄が取り付けられている場所や意味
牛蒡型しめ縄に限らず、しめ縄は神聖な区域と他とを区分するための標(しめ)を表し「神様がいる場所」と「私たちが暮らす俗世」とを隔てる意味があります。
しめ縄の中でも牛蒡型は、神棚に取り付けられることが多いので、神棚に飾る意味を説明します。神棚は常に清浄でなければならないので、お正月になるとしめ縄を交換します。しめ縄の紙垂はその家や神棚が神聖な場所であることの証でもあるのです。
また牛蒡型しめ縄は主に関西圏でお正月のしめ飾りにも使われています。大阪などでは向かって右が太くなっていますが、伊勢地方では左が太く、かつ1年中飾られているのが特徴です。
牛蒡型しめ縄の取り付け方
牛蒡型しめ縄を取り付ける時、最も気になるのが左右どちらに太い方を向ければ良いのかということでしょう。神様から見て左側、人間から見て右側が太くなるように飾るのが特に東日本では一般的ですが、理由は「外」から「内」に悪いものが入ってこないようにするためです。
また、鼓胴型しめ縄のように真ん中を垂らすような付け方ではなく、基本的に真っ直ぐな形で取り付けるようにします。
しめ縄の種類に関する記事はこちら↓
まとめ〜牛蒡型しめ縄は向きに注意して、真っ直ぐに取り付けましょう〜
牛蒡型しめ縄は神棚に取り付けられることが多いので、比較的身近な存在かもしれません。神社や地域によってしめ縄の太さや大きさ、房や紙垂の数などにかなりの違いがありますので、取り付けや取り替えの際には伝統や先例に習ってつけると良いでしょう。