新年を迎える準備の一つとして欠かせない、しめ縄やしめ飾り。近年では干支をモチーフにしたデザインも見かけるようになり、伝統行事への関心が高まっています。
この記事では、十二支の一つである「馬(午)」に焦点をあて、「午」の象徴する意味や、しめ縄に馬モチーフを用いる縁起、飾るときのポイントまでご紹介します。
新年の準備にもお役立てください。
1. 午(うま)とは?|十二支の中で象徴する意味

十二支の「午(うま)」は、その姿や表現力から躍動や前進の象徴とされてきました。特に馬は日本文化において、神さまの乗り物であり、神社では「神馬(しんめ)」として奉納されることもあります。「馬」が連想する意味には以下のようなものがあります。
・力強い行動力
・持久力
・前向きさ
・勢いのあるスタート(疾走のイメージ)
・良い流れに乗る
このため「午(うま)年」は「発展の年」や「飛躍の年」とされ、もともと縁起の良い干支であり、前向きなイメージがあるのです。
2. なぜ「馬」がしめ縄に?|縁起や文化的背景

近年、しめ縄やしめ飾りに「馬」の形を取り入れたものを見かけることがあります。特に馬の形に編んだしめ飾りや、馬をあしらった装飾パーツを取り付けたものは人気があります。
馬モチーフがしめ縄に選ばれる理由はいくつか考えられます。馬は古来より「神の乗り物」とされ、神と人をつなぐ存在として神社に奉納されることもありました。神様の意志を伝える“神の使い”や“媒介”として崇められた馬は、神馬(しんめ)として各地の神社で大切にされています。
また、生命力や前進の願いが込められていることも挙げられます。草を食む姿から豊かさの象徴でもある馬。その躍動感や気品が、新年に希望をもたらすと信じられています。
3. 「馬九行久(うまくいく)」?|語呂合わせに込められた願い

馬に関する縁起の良い言葉として有名なのが「馬九行久(うまくいく)」という語呂合わせです。語呂合わせのため「馬九行駆」など別の漢字を使用する場合もあります。
数字の「九(く)」と、物事がうまく進むという意味を掛け合わせた言葉で、特に西日本や関東地方では「馬モチーフ=事がうまくいく」としてお正月飾りに採用されることがあります。
また、馬にまつわる縁起物は、立身出世、縁結び、健康祈願などの意味が付与されており、「馬を飾る=縁起が良いことづくし」なのですね。
4. 馬モチーフのしめ縄の飾り方とおすすめの場所

馬モチーフのしめ縄は、一般的なしめ飾りと同じ要領で飾っていただけます。基本は玄関の外側上部、扉中央に飾るのが正式な作法です。
また、躍動や進化の象徴である馬にあやかり「書斎やワークスペースに置いて仕事運アップを願う」という現代的アレンジも人気です。お子様の成長や健やかさを願って控えめサイズの飾りを子ども部屋に飾る例もあります。馬のモチーフのものも含め、しめ飾りは、人の頭より高い位置に設置するのが礼儀とされています。
5. 馬年以外でも使える?干支モチーフの楽しみ方

「午(うま)年じゃないのに馬を飾ってもいいの?」という疑問を持たれる方もいますが、問題ありません。干支には本来、そもそも“年のシンボル以外の意味”があり、馬をモチーフにしたしめ縄は通年で縁起が担げます。
例えば、受験や仕事の成功祈願として、引越しや独立、転職など「新しい門出」の年に飾る、年が変わるタイミングで、運気の流れを切り替えるために飾るなどです。つまり、馬モチーフは単なる干支アイテムではなく、「前進と飛躍、自分らしく踏み出す力」を象徴するものといえるのです。
まとめ|馬のしめ縄が伝える願いとは?

馬モチーフのしめ縄は、十二支の意味を楽しむだけでなく「新しい風を吹き込む」縁起物としても親しまれています。躍動・前進・成長という午(馬)の象徴は、新年の願いにぴったり。
しめ縄に馬モチーフを取り入れることは、年神様を迎える準備としてだけでなく、未来への希望を託すことにもつながります。
2026年は馬(午)年です。この機会に馬モチーフのしめ縄を飾ってみてはいかがでしょうか?






