近年おしゃれなデザインのしめ飾りを飾る家も増えています。お正月の意味やしめ飾りの意味を知ることで、お正月がより楽しめ、しめ飾り選びも楽しくなるでしょう。
この記事では、おしゃれなしめ飾りを楽しむヒントや心構えをお伝えします。
おしゃれなしめ飾りが増えている
しめ縄やしめ飾りには伝統的に受け継がれてきた大切な意味がありますが、とはいえ現代の洋風な家には少し不似合いだと考える方もいるかもしれません。
近年では、しめ飾りをおしゃれにアレンジしたものが増えており「しめ縄リース」や「しめ縄アレンジ」などと呼ばれています。
お花屋さんや作家さんなどから購入もできますし、ハンドメイドで自宅で作る方もいらっしゃいます。
どのようなものなのか、以下でご紹介します。
リース型
輪飾りをリースのようにして、お正月らしくかつおしゃれにまとめたものがリース型です。
紅白や金色などでまとめておめでたいイメージでまとめたものや、お正月が終わっても飾りを付け替えることで1年を通じて飾れるタイプもあります。
スワッグ型
スワッグとは、花束を逆さまにしたような飾りで、末広がりの形が縁起がいいとされています。
本来はお花を束ねて作りますが、稲穂や松、裏白などのお正月らしい素材を束ねたり、水引や南天などの赤をポイントに作ったものもあります。
しめ飾りにつける飾りの種類
しめ飾りにつける飾りは縁起物と呼ばれ、それぞれにおめでたい意味があります。しかし、近年ではこのような縁起物にとらわれずにお正月カラーでまとめたものや、好みの花材で仕上げたものも多くあります。
以下でアレンジに使いやすい縁起物とその意味をご紹介します。
南天
南天は「難を転じて福となす」の意味で、赤い実がアクセントや可愛らしさになります。
椿
椿は、木へんに春と書くので、春が来ることを表します。赤系で目立つお花ですので、飾りのメインにもなるでしょう。
水引
水引は、封印や魔除けのほかに、縁を結ぶという意味があります。紅白のものが多いですが、金色や水色などさまざまな色があります。
松ぼっくり
松ぼっくりは種子がたくさん集まっているので、子孫繁栄を表します。可愛らしさやナチュラル感が出せる飾りです。
稲穂
稲穂は、豊作祈願の意味があります。小さな稲穂が垂れている様は、可愛らしさやナチュラルさ、和風のイメージを作り出します。
松
松は、常緑樹であり1年中緑色を保つため、長寿を意味したり、「神を待つ」の意味からとても縁起のよい植物です。濃い緑色はしめ飾りに重厚感や活き活きとした雰囲気を付け加えます。
ゆずり葉
ゆずり葉は、子孫代々へ譲っていくことから、子孫繁栄や、松と同じように常緑樹であるため、長寿などを表します。長細い形の葉は、しめ飾りの名脇役になるでしょう。
裏白
裏白は、葉の裏が白いことから、裏表なく清い心を表すほか、白=白髪のイメージから長寿を意味します。伝統的に白い裏側を表に向けてつけるため、雰囲気の違った緑色が得られます。
しめ飾りはお正月が終わっても飾って大丈夫?
しめ飾りの本来の意味は、歳神様をお迎えする目印になるものなので、歳神様がお帰りになるとともに片付けるのが一般的です。しかし、例外的に三重県の伊勢地方など1年中飾る地域もあります。伊勢地方では、蘇民将来の逸話になぞらえて、厄除けの意味もあるためです。
ゆえに、インテリアとして飾る場合やお正月用の飾りを取り外すなどして、別の意味をもたせて飾る場合には問題ないとされています。
しめ縄の意味
神社や神棚にあるしめ縄は、神様のいる神聖な空間と私たちが住む俗世とを隔てる意味があります。さらによくないものが入らないようにする結界としてはられることも多く、神様がいる空間を囲んだり、神が宿る依代につけたりと、清浄なものを表す際にも使われています。
しめ縄としめ飾りの違い
しめ飾りのルーツはしめ縄にあります。かつてはお正月の前にしめ縄を家の周りに張り巡らせて邪気をはらい、お正月を迎えていました。しめ縄に縁起物の飾りをつけたことからしめ飾りと呼ばれ、歳神様をお迎えする目印になります。
しめ縄に縁起物の飾りをつけたのは、新しい1年を迎えるおめでたい気持ちと豊作や家内安全への願いを込めていたからと考えられます。
お正月の意味
しめ飾りが歳神様をお迎えする目印になるとお伝えしました。お正月はこの歳神様をお迎えする行事です。歳神様とはお正月にそれぞれの家にやってきて、幸せや豊作を運んできてくれる神様で、歳徳神や恵方様、とんど様など異なる呼び方もあります。
歳神様のルーツは3つあり、「歳」という言葉が穀物やその収穫サイクルを表すことから穀物の神であるという説、民間信仰の祖霊信仰から山に住んでいる祖霊の神であり、山の神や農耕を見守る田の神であるという説、また一年に一度決まった時期に人間界にやってくる、来訪神であるという説があります。これらのひとつまたは複数が混ざり合ってうまれた存在なのです。
まとめ〜生活スタイルにあわせてしめ飾りを楽しもう〜
古くから日本人にとって大切なお正月。その際に歳神様をお迎えするしめ飾りは、飾る縁起物や期間などが決まっていましたが、近年ではより自由にしめ飾りを楽しむ人が増えています。お正月やしめ飾りの意味を知ったうえで、自分なりの楽しみ方で選んだり作ったりすることで、よりお正月が楽しめるかもしれません。