しめ縄の取り付けや付け替えの際に、最も困るのはサイズ選びではないでしょうか?しめ縄の形やサイズ、種類は千差万別であり、由緒や歴史の深い神社などでは特に決まった形があるもの。この記事では、長いサイズのしめ縄を中心に取り付けや付け替えの際に役立つ、サイズの測り方や取り付け方などをご紹介します。
長いサイズのしめ縄がある場所
しめ縄は、神様のいる神聖な場所や依代を表す役割や神世と俗世とを隔てる役割、結界として邪悪なものが入ってこないようにする役割、立ち入り禁止を表すなどさまざまな意味があります。
長いしめ縄と言っても、太さや形はさまざまです。長くて太いしめ縄が必要な場所は、神社の鳥居や拝殿などの目立つ場所にあるものや、三重県の夫婦岩に渡されているしめ縄など、取り付ける対象物が大きいものに多くみられます。
長くて細いしめ縄は、手水舎や神社の周りを囲むように張られたしめ縄、巨石や御神木など対象物が大きくてもひっそりと取り付けられているしめ縄に多くみられます。また神社によっては、鳥居や拝殿にも細長いしめ縄が取り付けられている場合もあります。
日本一長いしめ縄
日本一長いしめ縄と言われているのが、三重県伊勢市にある二見輿玉神社の夫婦岩に渡されているしめ縄です。このしめ縄は長さが35mもあり、重さが40kg、全部で5本あるのですが、1本の太さが10cmだそうです。
このしめ縄を張り替える「大注連縄張神事」が5,9,12月の年に3回も行われ、その際には大岩に16m、小岩に10m巻き、両者の間は9mの長さになります。
次に長いと言われているのが、香川県にある金刀比羅宮の本宮を囲むしめ縄で、30mの長さがあり、多くの人々が持ち、真っ直ぐ一文字に取り付けられるそうです。
他にも、和歌山県にある那智の滝の上のしめ縄の長さは26mもあり、正月と例大祭の前(7月と12月)に高さ133mの滝口で張り替えが行われます。また、茨城県の常陸国出雲大社のしめ縄は太さや重さも有名ですが、長さも16mと長く、宮城県気仙沼市の竹駒神社の拝殿にも14mという長さのしめ縄があります。
しめ縄のサイズの測り方
しめ縄のサイズを決めるには、しめ縄を取り付ける場所やもののサイズを測りますが、長いしめ縄をつける際には、より正確にサイズを測る必要があります。
鳥居の場合
しめ縄の長さは「柱間(芯々)」と呼ばれる、一方の柱の外側からもう一方の柱の内側までの長さに合わせたものを選びます。しめ縄の形によって、長さも変わり、牛蒡型や一文字型などは短めになり、真ん中が垂れ下がる鼓胴型や特殊な例ではありますが、鳥居に巻き付けるような蛇の形などはしめ縄の長さも長めになります。
拝殿の場合
しめ縄の長さは「柱間(外々)」と呼ばれる、柱の外側から外側までの長さを測り、前面に取り付けるのが一般的ですが、香川県にある金刀比羅宮の本宮のように周りを囲むようにつける場合は、長さもかなり必要になります。
手水舎の場合
しめ縄の長さは、拝殿の場合と同じく「柱間(外々)」という柱の外側から外側までの長さを測りますが、手水舎の周りを取り囲むようにつける場合もあります。しめ縄の太さは5〜8cmが一般的で、一定の太さで細身の「左縄」が取り付けられることが多いと言われています。
長いサイズのしめ縄の取り付け方・注意点
長いサイズのしめ縄を取り付ける際には、規模にもよりますが、人手が必要な場合も多く、間違うとやり直すのに手間がかかるため、慎重に取り付ける必要があります。
一般的な神社では、左が上位、右が下位の観念に従って、神様から見て左側に、縄の作り始めである綯い始めを向けますので、この向きに気をつけましょう。一部例外もあるので、取り付けまたは付け替えの神社での向きを確認することをおすすめします。
まとめ〜長いしめ縄はサイズを測って正しく取り付けましょう〜
長いサイズのしめ縄といっても、取り付ける場所や対象物によって、太さや長さ、形などがさまざまであることがわかりました。長さもしめ縄の美しさを決める大事な要素なので、伝統に習いながら、サイズをしっかり測って慎重に取り付ける必要がありますね。