初詣やお祭りなど、神社に行く機会はほとんどの人にあるのではないでしょうか。その際に気になるのがマナーや参拝のお作法。神様に失礼のないようにしたいけれど、よくわからない。そのような方はこの記事を読むと安心してお参りができるでしょう。
記事では、神社を参拝する際の基本的な作法やマナー、そして心構えについてを分かりやすく解説します。
参拝前に知っておきたい心構えと準備
参拝前におさえておきたい心構えをお伝えします。
そもそも神社とは?
神社とは神様をお祀りする神聖な場所です。古くから日本人は自然のなかにあるさまざまなものに大きな力を感じ、お祀りしてきました。やがて神様を祀る場所に建物が建てられるようになり神社と呼ばれるようになったのです。
参拝の際には、ここは神様のいらっしゃる場所だということを意識し、穏やかな気持ちで境内に入られるのがよいでしょう。時間に余裕をもち、丁寧な所作を心がけてください。
参拝の際の服装
神社は神聖な場所ですので、基本的に露出の多い服や、ダメージ加工のジーンズ、派手すぎる柄物は避けるのが無難です。夏のサンダルや冬のブーツなどもあまりおすすめできません。普段着で構いませんが、だらしなく見えない、きちんとした印象のもの、清潔感のある服装が望ましいでしょう。
また、ご祈祷を受ける場合などは、ジャケットを羽織るなど、少しフォーマルな服装を意識するのがマナーとされています。
とはいえ、あまり堅苦しくならず、一番大切なのは「神様に失礼のないように」という気持ちですので、参拝前に服装も意識してみるのをおすすめします。
境内での基本的な流れと作法
ここからは、境内に入ってから拝殿で参拝するまでの基本的な流れと作法を見ていきましょう。
鳥居のくぐり方
鳥居は、神様がいらっしゃる神聖な領域(神域)と、私たちの住む俗世間とを分ける境界を示す門のようなものです。多くの場合、鳥居にしめ縄が張られているのも、ここが特別な場所であることを示しています。
一礼
鳥居をくぐる前に、まずは立ち止まって軽く一礼(会釈)します。「これからお参りさせていただきます」という気持ちを込めて、神様にご挨拶しましょう。 参拝を終えて境内を出る際も、鳥居をくぐったら振り返り、社殿の方に向かって再度一礼するとより丁寧です。鳥居をくぐる前や拝殿の前では、帽子やサングラスは取るようにします。
参道
参道の中央は「正中(せいちゅう)」と呼ばれ、神様の通り道とされています。中央を避け、左右どちらかの端を歩くようにします。伊勢神宮では右側通行となっています。
手水舎での清め方
参道を進むと、多くの場合、手水舎があります。ここで手と口を清めることは「禊(みそぎ)」を簡略化したもので、心身の穢れ(けがれ)を祓い、清らかな状態で神様の前に進むための大切な作法です。
<手水の作法>
1.右手で柄杓(ひしゃく)を持ち、水を汲みます。
2.左手に水をかけて清めます。
3.柄杓を左手に持ち替え、右手に水をかけて清めます。
4.再び柄杓を右手に持ち替え、左の手のひらに水を受けます。
5.その水で口をすすぎます。 (柄杓に直接口をつけないように注意しましょう。静かにすすぎ、そっと吐き出します)
6.もう一度、左手に水をかけて清めます。
7.最後に、柄杓を立てるように持ち、柄(え)の部分に水を流して清めます。
8.元の位置に柄杓を伏せて置きます。
拝殿での参拝作法:基本の「二拝二拍手一拝」
拝殿(または本殿)の前に着いたら、神様にご挨拶をします。最も基本となる参拝作法「二拝二拍手一拝(にはい にはくしゅ いっぱい)」または「二礼二拍手一礼」を覚えておきましょう。
まず、賽銭箱の前で会釈し、お賽銭を納めます。お賽銭は、箱の中に投げ入れるのではなく、そっと丁寧に入れるのが望ましいとされています。金額の多寡よりも、感謝の気持ちを込めることが大切です。
次に鈴を鳴らし(なければ省略)深く2回礼をします。それから胸の前で両手を2回打ち鳴らし、感謝とお願いごとを伝えましょう。最後に深く一礼をして参拝を終えます。
ちなみに、この鈴は、その音色で邪気を祓ったり、神様への参拝を知らせる合図の意味があると言われています。
また、神社によっては、出雲大社(二拝四拍手一拝)のように作法が異なる場合があります。もし作法に関する案内があれば、それに従いましょう。
おみくじやお守り、御朱印の授与
おみくじやお守り、御朱印などは、拝殿での参拝が終わった後にいただきましょう。
おみくじ
おみくじは、吉凶だけでなく、書かれている内容(神様からのメッセージ)をよく読むことが大切です。
おみくじは、境内の指定された「おみくじ結び所」に結ぶのが一般的です。これは、願いが結ばれるように、あるいは良くない運気を木に託して祓うという意味合いがあります。一方で、戒めや励ましとして持ち帰っても良いとされています。
絵馬の奉納
絵馬に願い事や感謝の気持ちを書き、奉納するのも良いでしょう。絵馬はもともと、神様へ生きた馬を献上していた風習がはじまりで、次第に木で作ったもの代用されるようになったものです。本来、奉納するものですので、できるだけ持ち帰らずに、指定の場所に心を込めて奉納します。なお、神様に願い事がよく見えるように、裏側を手前にしてかけるのが作法です。
お守りや御朱印
お守りや御札、御朱印は授与所(社務所)でいただくことができます。
いただいたお守りは、神様の分身のようなものですので、大切に扱いましょう。
御朱印は参拝した証としていただくものですので、集めることを目的にせず、穏やかな心でお願いしましょう。神社によっては書き置きのみの場合もありますが、御朱印帳を持参するのがベターです。書いてほしいところを開いて渡し、お釣りのでないように小銭を準備しておきましょう。
また、神社によって御朱印の受付時間や方法などが異なりますので、事前に調べてから参拝すると齟齬が減らせます。
まとめ|清らかな心で神様にご挨拶を
この記事では、神社に参拝する際の基本的な作法をご紹介しました。神社は神様のいる神聖な場所ですので、事前に作法を知って、清らかな気持ちで参拝しましょう。