「1年のスタートを清らかに切りたい」そんな思いで多くの人が神社へ初詣に向かいます。でも参拝の順番やお賽銭の金額など迷うポイントは多いもの。本記事では基本のマナーから、時間帯・服装、お守りやおみくじまで解説します。心も身も整え、晴れやかな気持ちで一年を始めましょう。
目次
そもそも初詣とは?
初詣のルーツの前に、正月のルーツをみてみましょう。
古くから正月は歳神様をお迎えする行事でもあり、その目印としてしめ飾りや門松が飾られていました。
歳神様は、穀物の神、山の神、田の神、祖霊神、来訪神などのいくつかの顔を持ちます。
かつては、家に籠り、神様と食事をするのが、お正月の庶民の過ごし方でした。天皇家に至っては、平安時代からはじまる「四方拝(しほうはい)」という儀式が、現在も続いています。
それでは、いつから神社に参拝するようになったのでしょう。初詣(はつもうで)とは、新しい年、最初の神社参拝のことです。初詣のルーツは“年籠り(としごもり)”と呼ばれる風習といわれています。「年籠り」とは、大晦日から元旦にかけて、家長が氏神様を祀る神社に泊まり込み、新年の豊作や家族の無病息災を祈った風習のことをいいます。
現在は元旦から松の内(7日頃)までに参拝する人が多く、神様へ昨年の感謝と今年の抱負を伝える行事として定着しています。
初詣はいつまでに行けば良い?
一般的には松の内に参拝するのがよいといわれています。松の内は、関東では1月1日〜7日、関西では1月15日までと、地域によって違いがあります。小正月(15日)まででも、節分まででも問題ないという考え方もありますし、都合がつかない場合や、混雑を避けたい方は、ご自身のタイミングで参拝するものよいでしょう。
正しい参拝の流れ

初詣に行く前に、正しい参拝の流れと服装をおさえておきましょう。
参拝の流れ
初詣の参拝の流れは、鳥居を一礼してくぐり、手水舎で心身を清めることからはじまります。
それから、古いお守りやお札を奉納し、拝殿に参拝します。
拝殿で神様に感謝や1年の抱負などのメッセージを伝える際は、賽銭箱へ小銭を静かに入れ、二礼二拍手一礼して参拝します。お守りやお札、破魔矢、おみくじなどは、参拝が終わってから求めましょう。最後に鳥居を出るときも振り返り一礼します。
手水舎(てみずや)の詳しい作法
- 右手で柄杓(ひしゃく)を取り、水を汲んで左手を清める。
- 柄杓を左手に持ち替え、右手を清める。
- 再度柄杓を右手に持ち替え、左の掌に水を受け、口をすすぐ。
- もう一度左手を清める。
- 柄杓を立てて柄の部分を洗い流し、元の位置に戻す。
拝殿での「二礼二拍手一礼」の詳しい作法
- 神前に進み、軽く会釈。(鈴をならすことも)
- 賽銭箱にお賽銭を静かに入れる。
- 二度深くお辞儀(二礼)。
- 胸の高さで両手を合わせ、右手を少しずらして二度柏手(二拍手)。
- 手を合わせながら、感謝や願い事を心の中で唱える。
- 一度深くお辞儀(一礼)。
服装マナー
正月は華やかな装いも増えますが、境内では落ち着いた服装が好ましいでしょう。和装でも洋装でも構いませんが、和服は着崩れなどないように、またダメージ加工のジーンズなどルーズな印象のある服装は避けた方が無難です。特に冬場の初詣は長時間外にいることも多いため、防寒対策として重ね着やカイロなどの準備も忘れずに。
お賽銭・おみくじ・お守りの基礎知識
ここでは、気になるお賽銭やおみくじ、お守りの基本について説明します。
お賽銭
お賽銭はもともとは、神様に今年の収穫を感謝し、来年の豊作を祈るためのものがお金に変化したもの。語呂合わせなどを気にする方も多いかもしれませんが、一番大切なのは、気持ちです。また、額の大きさによって願いが叶う・叶わないなども気にしなくてよいでしょう。
ただし、お財布の中身の小銭を適当に入れたり、汚れたお金を入れるのは、神様に失礼にあたるため、注意が必要です。事前に小銭などを用意しておくことをおすすめします。
おみくじ
おみくじは、神仏メッセージを受け取るために用いられてきたものですので、神様への参拝後にいただきます。大吉や凶などの運勢よりも、内容をよく読むようにしましょう。おみくじは境内に結んで帰っても、持ち帰ってもOK。木に結んで「厄を神様に預けていく」という意味や「神様とのご縁を結ぶ」にあやかるのもよし、よく目にする場所に大切に保管し、読み直して行動指針にするのもよいでしょう。なお、木の枝に結ぶことが一般的ですが、神社によっては専用の場所が設けられていることもあります。
お守り
とくに叶えたい願いや守っていただきたいことがある場合や、1年間身に着けるものとしていただきたいのがお守りです。交通安全・学業成就など目的別に求めるのもよいでしょう。古いお守りは授与所や古札納め所などに、感謝を込めて返納し、焼納してもらいます。
まとめ|初詣で清々しく1年のスタートを
初詣は、1年の始まりを清らかに迎える大切な行事です。そのルーツは「年籠り」という古くからの風習にあり、時代を経ても今のような形で残っています。鳥居での一礼から始まる正しい参拝マナーやお賽銭、おまもりなどの基本を意識することで、より心身ともにすがすがしい参拝ができるはずです。丁寧に参拝をすることは、1年の良いスタートにもなるでしょう。