厳かな社殿で夫婦の契りを結び、家族の絆を深める結婚式のかたちを「神前式」といいます。とはいえ「予約や費用はどうすればいいの?」「参列するときの服装は?」と疑問も出てくるかもしれません。本記事では、挙式を検討中のカップルはもちろん、招待を受けたゲストの方々にも役立つ情報をまとめました。神社ならではの作法や段取りを理解し、心に残る一日を迎えましょう。
目次
神前式とは?意味と魅力
神前式とはどのようなものでしょうか、まずは意味と魅力をおさえましょう。
神社で挙げる結婚式の特徴
神前式は1900年、明治神宮での皇室婚礼をモデルに全国へ広がった歴史ある挙式スタイルです。神様の前で夫婦の契りを結ぶため、親族中心の儀式が基本となります。雅楽の調べが響く中、荘厳な社殿での挙式は、和の情緒を存分に味わえるのが最大の魅力です。
神社婚が選ばれる理由
神社での結婚式がいまなお多くのカップルに選ばれる理由は、厳かな雰囲気と歴史的なロケーションにあります。歴史を刻んだ神社の境内は、それだけで特別な空間を演出してくれるため、特に日本の伝統文化や歴史が好き、神社関係者などの結婚式に選ばれています。また、一般的には着る機会のない、白無垢や色打掛といった伝統的な婚礼衣装も注目されています。
事前準備と予約の流れ
ここからは神前式のための事前準備と予約の流れをご紹介します。
神社選びと申し込み
まずは挙式を行いたい神社を選びます。挙式可能日と初穂料を問い合わせ、予約をしましょう。人気の神社や大安の日は早めに埋まってしまうため、半年から1年前には動き始めるのが理想的です。
初穂料とオプション手配
初穂料は神社の格式や立地により異なりますが、10万円から15万円が相場となっています。これとは別に、衣装のレンタルや着付け、写真撮影、会場装花などの手配が必要です。神社と提携している衣装店や写真館もあるので、事前に見積もりを取り、予算に合わせて必要なオプションを選択しましょう。
当日の参拝と式次第
神前式当日の流れは以下のようになります。
参進・手水・拝礼
挙式当日は、雅楽の美しい調べに合わせて新郎新婦と親族が境内を進む「参進の儀」でスタートします。手水舎で心身を清め、拝殿前で一礼してから昇殿します。この一連の流れは、神様の前に立つ前の大切な準備として、古くから受け継がれてきた作法です。
三々九度と誓詞奏上
神前式の核心となるのが、新郎新婦が盃を交わす三々九度による夫婦固めの儀式です。小・中・大の三つの盃を使い、それぞれ三度ずつ、合計九度で行うことからこの名前が付けられました。続いて誓詞を読み上げ、神前に永遠の誓いを届けます。
玉串奉奠・親族盃の儀
玉串を神前に捧げ、二礼二拍手一礼の作法で拝礼します。最後に親族全員で盃を交わす親族盃の儀により、両家の結び付きが完成します。この親族盃の儀は、新しい家族としての絆を確認する大切な儀式でもあります。
参列者のマナーと注意点
特別な日を素晴らしいものにするためにも、大切なマナーと注意点を解説します。
服装コード
親族の方は第一礼装として、女性は留袖、男性はモーニングを着用するのが基本です。友人ゲストの場合は、準礼装のスーツやワンピースで問題ありません。ただし、神社という神聖な場所を考慮し、黒タイツや派手なアクセサリーは控え、落ち着いた色合いの服装を心がけましょう。
ご祝儀の相場
一般ゲストの場合、ご祝儀は3万円から5万円が相場となります。ご夫婦で参列される場合は、5万円から7万円が目安です。のし袋は「寿」と書かれたものを使用し、新札を用意するのがマナーです。神前式の場合、披露宴がない場合も多いため、事前に確認しておくと良いでしょう。
写真・スマホ撮影可否
式中の撮影については、必ず神職の許可を得てから行いましょう。フラッシュやシャッター音は厳禁です。神聖な儀式の最中に音が鳴ると、厳かな雰囲気を壊してしまう可能性があります。
神社ウェディング成功のコツ
以上までが、神前式の流れですが、さらによりよい式にするためのコツをお伝えします。
季節と時間帯の選び方
春や秋の午前中は、柔らかい光が差し込み、写真映えが抜群です。新緑の季節や紅葉の時期、真夏の夕刻も人気があります。季節ごとの境内の美しさを考慮して、最適な時期を選びましょう。
雨天対策とアクセス案内
事前に屋根付き回廊の有無や控室の広さを確認しておきましょう。特に梅雨時期や台風シーズンの挙式では、雨天時の導線をしっかりと把握しておくことが大切です。ゲストの方々には、駅からの送迎バスの手配やタクシー予約について事前に共有しておくと親切です。
披露宴との動線設計
神前式のあとの会食は、境内の会館で行う場合と、近隣のホテルなどで行う場合があります。移動がある場合は、特に和装は歩きにくさもあるため、十分な時間を確保することが重要です。参列者の皆様にも、移動時間やスケジュールを事前にお伝えしておくと、当日の進行がスムーズになります。
まとめ|美しい境内で特別な神前式を
神社での結婚式は、日本の伝統的な美しさと家族の絆を深く感じられる特別なセレモニーです。予約のスケジュールと費用をしっかりと把握し、神社ならではの作法を理解しておけば、初めてでも安心して当日を迎えることができます。参列者の皆様も、服装やご祝儀、撮影マナーを心得てご参加いただければ、お二人の門出をより厳かに、そして温かく祝福していただけることでしょう。