神社への参拝は、心を清め、神様とのご縁を結ぶ大切な機会です。参拝の証しとして、また日々の心の支えとして「お守り」を授かる方も多いでしょう。これらは単なる記念品ではなく、神様の力が込められた特別なものです。この記事では、お守りの意味、種類、そして正しい扱い方について詳しく解説します。知識を深め、神様からのご加護を大切にいただきましょう。
目次
神様のお力をいただく「お守り」
神社で授かる「お守り」は、神様の御霊(みたま)や御神徳(ご利益)が込められた、神聖な存在です。そのため「買う」のではなく、初穂料を納めて「授かる」「受ける」と表現します。また、数えるときはご神像と同じように「1体」「2体」と数えます。
お守りは、個人の願いに寄り添い、持ち主を災厄から守ったり、幸運を招いたりするよう祈願された、いわば「持ち歩ける神様のご分霊」です。私たちの暮らしに寄り添い、見守ってくださる大切な存在なのです。
様々な種類のお守りと選び方
お守りにはさまざまな願いに応じた種類があるため、自分の目的に合ったものを選ぶことが大切です。神社によってご加護の得意分野がある場合もありますので、事前に調べてから参拝するとよいでしょう。
お守りの種類
お守りには以下のような種類があります。
・家内安全…家族の無事と家庭円満
・交通安全:…乗り物の事故防止
・厄除け:…厄年の災厄回避
・縁結び:…恋愛や人間関係の良縁
・安産:…無事な出産
・学業成就/合格祈願…学力向上や試験合格
・商売繁盛:…事業の成功
・健康祈願/病気平癒:…健康維持や回復
お守り選びのポイント
お守りを選ぶ上でもいくつかポイントがあります。まず一番大事なことは、自分の願いを明確にして、 今一番叶えたいことに合ったお守りを選ぶことです。神社に祀られている神様の得意分野(ご神徳)に合わせて選ぶのも良いでしょう。どうしても迷う場合は、直感で選んでもかまいません。 たくさんある中で「惹かれる」と感じるお守りも、あなたとのご縁があるしるしです。
複数のお守りを持っても大丈夫?
複数のお守りを持つこと自体は問題ありません。日本には八百万の神(やおよろずのかみ)という言葉があるように、多くの神さまがいらっしゃるので、一緒にお持ちしていても、喧嘩することはないのです。ただ、一つ一つを大切にできる範囲で授かるようにしましょう。
お守りの正しい扱い方
授かったお守りは、神様への敬意を払い、丁寧に扱いましょう。一般的には、身につけると良いといわれています。財布やカバン、手帳など、常に持ち歩くものに入れておき、肌身離さず持つことで、ご加護を身近に感じられます。
家で祀る場合は、神棚があれば神棚へおき、なければ、目線より高く、清潔な場所に白い布などを敷いてお祀りします。
また、お守り袋の中には神様の力が込められた、護符や石などが納められているため、中身は開けないのが基本です。日々の感謝を忘れずに、大切に扱うことが大切です。
お守りの返納について
お守りのご利益に有効期限はありませんが、一般的に1年を目安に新しいものを授かり、古いものはお返しするのが慣習です。これは、1年間の感謝を捧げ、新たな神様の力をいただくという意味合いがあります。また、願い事が成就した時も、感謝を込めて返納する良い機会です。
返納の際は、授かった神社へお返しするのが基本で、境内の「古札納所(こさつおさめしょ)」などにお返ししましょう。遠方の神社で授かったお守りの場合は、他の神社の納所でお受けいただけることもありますが確認が必要です。郵送での返納を受け付けている神社もあるため、受付可能な場合は丁寧に郵送しましょう。
お守りの歴史
ここで、お守りはいつからあったのかに触れておきます。
お守りの起源は古く、縄文時代の勾玉(まがたま)など、自然物や特定の形をした石や玉に神秘的な力が宿ると信じられ、魔除けや幸運を招くために身につけられていたことに遡ります。
その後仏教が伝来すると、経典の一部やお札、仏像の欠片などを護符として持ち歩く習慣が生まれ、平安時代には、貴族が社寺に参詣する際の身を守るための「懸守(かけまもり)」が登場しました。また、魔除けや願掛けのための「護符」も流行し、戦国時代には武士たちが甲冑のなかに貼るなどして広まりました。
江戸時代になると、伊勢参りなどの寺社参詣が庶民の間で大流行し、道中の安全や商売繁盛など特定の願いを込めたものも登場して一般化したといわれています。
長い年月をかけて変化してきたお守りは、現代でもさまざまニーズにあわせて、オリジナリティあるデザインのものが登場するなど変化しながらも人々の心のよりどころとして受け継がれています。
まとめ|感謝の気持ちをもってお守りを大切にしよう
神社で授かるお守りは、神様の力が宿る神聖なものです。その意味を知り、感謝の気持ちを持って丁寧に扱うことで、私たちはより深く神様とのご縁を結び、豊かなご加護をいただくことができるでしょう。