家を建てる際に行われる地鎮祭。多くの施主さんにとって地鎮祭は最初で最後であることが多く、準備に戸惑うこともあるでしょう。本記事では、地鎮祭の準備を中心に、しめ縄の長さや準備物、日程の決め方などをご紹介します。準備の疑問を解決して、安心して臨みましょう。
地鎮祭とは
地鎮祭とは、その土地の神様に土地の使用の許しを請い、工事の安全や生活の平安を祈願する儀式です。「じまつり」「とこしずめのまつり」などとも呼ばれ、古代から行われてきました。
地鎮祭に出席するのは、施主、神職、施工会社、工事関係者といった家の建設に関わる全ての人ですので、顔合わせや、これからはじまる建築に気を引き締める意味合いもあります。
地鎮祭を行うことが決まったら、施工会社と日程などの相談をし、神社に依頼します。不明な点は施工会社に相談すれば教えてくれます。
地鎮祭の準備
地鎮祭を行うにはいくつかの準備が必要です。
日時の決定
まず、地鎮祭を行う日時を決定します。
建築関係には「建築吉日」という考え方が存在します。
冠婚葬祭の「六曜(ろくよう)」はご存じの人は多いと思いますが、建築の場合は十二直(じゅうにちょく)が使われています。
十二直は、北斗七星のある方角をもとにして吉凶を占うもので、「建・除・満・平・定・執・破・危・成・納・開・閉」の12種類があり、建築吉日は「建・満・平・定・成・開」の6つです。
その他、年に5〜6回ある天赦日も吉日、一粒万倍日も地鎮祭や上棟式に最適だといわれています。
現在では、あまり気にせずに地鎮祭を行う方も増えていますが、「三隣亡」は火災が起こって3つ隣まで滅ぼすという意味で、建築には凶日とされており、ご近所トラブルにもなりかねないため避けた方がよいでしょう。
祭場の準備
地鎮祭の祭場作りは、施工者が行ってくれる場合がほとんどですが、施主側で用意するものもあります。
祭場は実際に建てる建物の基礎の大きさに縄を張る「地縄張り」からはじまり、その内側に4本の竹が立てられ、しめ縄を張り、その中に祭壇を用意します。しめ縄の内部には、盛砂を作り、祭壇に置いた三方の上にお供え物をお供えします。
この時に使用する竹(忌み竹)は、4本必要で、高さが2〜3m程度、1間半四方の四隅に立て、固定には木杭を使用します。
4本の竹の地上から1間(180m)ほどの位置にしめ縄を結び、1周させます。
施主が用意するもの
一般的に施主が用意するものは、お供え物と玉串料、必要な場合は食器類や近隣の方への手土産などです。
お供え物は、以下の内容が一般的です。
・お米1合〜4合(洗米して乾かしておく)
・お酒一升瓶1本
・海の幸3種程度(魚と昆布やわかめなどの乾物)
・山の幸3種程度(くだもの)
・野の幸3種程度(野菜)
・塩1合
・水1合
玉串料は、神社へ支払う謝礼であり、相場は2〜5万といわれますが、神社によって金額がきまっているところもあります。神職が自分の車などで来られる場合は「お車代」を5000円〜1万円程度お渡ししましょう。
以上はあくまでも一例です。施工者や神社によって、用意するものが違うので、事前に確認しておきましょう。
地鎮祭のしめ縄の長さや種類
地鎮祭の祭壇を囲むように張られるしめ縄。
しめ縄は神様のいる聖域を表し、私たちの住む俗世界との境界を表します。しめ縄で囲んだ場所に祭壇を作ることで、そこへ土地の神様をお呼びし、儀式を行うのです。
また、しめ縄につけられている白い紙「紙垂(しで)」も、稲妻の力でよくないものを寄せ付けない意味があります。
地鎮祭に使うしめ縄の長さは、祭壇の大きさにもよりますが、10m〜15mほどあればよいでしょう。太さも6mm以上の太さがあれば問題ありません。
種類は、左撚りの「左縄」が一般的ですが、右撚りの縄で行う場合もあるようです。
しめ縄専門店の地鎮祭用しめ縄
ここでは、しめ縄専門店での地鎮祭用のしめ縄ラインナップをご紹介します。
折橋商店
「左縄」を選びましょう。
太さは12mm、16mm、18mm、20mm、24mm、30mmがあります。
長さは1mごとにオーダーできるので、必要な長さをご注文ください。
http://orihasisyouten.jp/products/
縄合屋
「左縄」を選びましょう。
2本撚りの青いわらとポリエチレン製のものがあります。
青いわらタイプの太さは10mmまたは16mmで、長さは10m。
ポリエチレン製左縄は、太さ10mm、12mm、16mm、30mmがあり、1mごとにオーダーができるので、必要な長さをご注文ください。
https://nawawaseya.com/products/hidarinawa/
縄屋忠右衛門
太さ約6mmの縄で、等間隔にわらの垂が下がっています。
右撚りも左撚りも選べ、5間(約9m)単位でオーダーができます。
また、わらの垂の長さや間隔も変えられとのことです。
https://www.waranawa.com/tokutyu%20tyoujime.html
まとめ〜地鎮祭は一生に一度の経験になる〜
近年、地鎮祭を行わない方やお祓いのみで済ませる施主さんもいらっしゃいます。
地鎮祭を行うかどうかは施主の自由ですが、地鎮祭を行うことで、土地の神様に守っていただいている安心感を得られたり、家の建設に関わる人が顔を合わせる貴重な機会になったりします。
また、これから家を建てるという大きなことへ向かう精神的な節目にもなり、お子様がいれば、お子様にとっても貴重な経験になるでしょう。